黄泉比良坂~第7回kaoriの足跡~

「古事記」(日本最古の歴史書)に登場する生者と死者の領域を
隔てる場所が黄泉比良坂です。

この世とあの世が繋がっている場所ともいえるでしょう。

徒歩で少ない民家を通り抜け緩やかな上り坂を歩いていくとそこはあります。

男神・イザナギと一緒に国を造っていた女神・イザナミが死んでしまう。

悲しんだイザナギはイザナミに会いに黄泉の国に向かい再会して「一緒に帰ってほしい」と言うと、
イザナミは神々に相談してみるが、けして自分の姿を見ないでほしいと言って去る。

なかなか戻ってこないイザナミを待ち切れず行ったそこにはイザナミの醜く腐った姿があった。
怒ったイザナミは逃げるイザナギを追いかけるが巨石を黄泉比良坂に置いて道を塞いでしまう。

閉ざされたイザナミは怒り「毎日人を1000人殺す」と言い、
イザナギは「それなら毎日1500人の子供が生まれるようにする」と言い、黄泉比良坂を後にする。


世界の神話や民話に見られる「見るなのタブー」が用いられている話でもあります。

それは「見るな」と言われているのに見てしまい悲惨な結果に遭う、というもので日本では「鶴の恩返し」などがそれに当たります。


爽やかな日差しの元で見る黄泉比良坂は
とてもそんなことがあった場所とは思えないほど静かですが、どこか神秘的な雰囲気を醸し出しています。


一歩あちらへ踏み出してみるともしかしてそこには……。



黄泉比良坂 島根県松江市東出雲町揖屋2376-3